前回のPLAに続きまして、今回はABSについて調べていきます。
ABSは私が初めて触れたフィラメントで、3Dプリンターのフィラメントの中ではPLAと並んで2大勢力と呼べるくらいに身近なものです。
ABS
ABSってどんな素材?
ABSは、3種類の成分を組み合わせたプラスチックで、Aはアクリロニトリル、Bはブタジエン、Sはスチレンの頭文字を取った命名です。
各成分の特徴を活かして、アクリロニトリルからは耐熱性、機械的強度を、ブタジエンは耐衝撃性、スチレンは光沢性、加工性を取り入れた、よいとこどりのプラスチックと言えます。
調べていて諸説あったのですが、製品として登場したのは1950年代のようなので、約70年の歴史のある素材です。
PLAとは違い、生分解性はないのですが、リサイクルすることは可能です。実際にシュレッダー等を使って、古いABSから新しいABSを作っている方もいらっしゃいます。
どんなところに使われているの?
非常に多くの場所でABSが使われています。ノートパソコンや、テレビ、冷蔵庫などの家電製品から、リコーダーなどの楽器、レゴにも使われております。
ちなみにレゴはABSだけを使っているわけでなく、様々な素材の中の一つとしてABSが利用されているようです。この辺りは公式サイトに詳しく楽しく記載されておりますので見てみると楽しい気分になります。

我々はABSに囲まれて生活していると言えるくらい、生活にとって身近で大量に使われている素材と言えます。
3DプリンターにおけるABSってどんな特徴?
そんな、実際の製品にも広く使われているABSを自分の制作に使える…!ワクワクしますね。
3Dプリントにフォーカスを当てて、特徴をみていきます。
強み
ABSはPLAに比べてより丈夫で軽いフィラメントで、より機能をもったプロダクトに向いています。
耐熱性に優れていて、耐熱温度は70~100度で、こちらもPLAよりも高い数字になっております。
また、加工性に優れておりまして、やすりがけやアセトンを利用した表面加工が可能です。
射出整形でやるようですが、ピアノブラックという光沢のある質感も元の素材はABSだそうで、この辺りは大変可能性を感じてしまいます。

弱み
一つ目は印刷中に不健康な匂いを発生させます。換気は必須です。
また、反りやすいため、カバーがない3Dプリンタでは、出力調整が難しい場合があります。
実際私はABSを印刷するときは90lのゴミ袋を3Dプリンターに被せて出力しておりました。そしてこれが原因で、印刷が億劫になって遠のく、、という悪循環に陥ってしまったことがあります。

そして、長所で加工はしやすいと書いておりますが、光造形の柔らかさと比べると、ABSは硬くて加工はしづらいと感じております。
ABSが向いている造形物
以上を踏まえると下記のような造形物を作るときに検討すると良さそうです。
- 暑い車内で使っても大丈夫な車内用のアクセサリー
- より軽いパーツを作りたいとき
- 加工して、綺麗な製品を作りたいとき
まとめ
やはり、実際の製品にもバリバリ使われているというのはロマンがあるよなぁと感じました。印刷がしやすく加工をしないので、最近もっぱらPLAを使っておりますが用途に応じてABSも使っていこうとおもいました。皆さんにもお役に立てると幸いです。
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